shishintheboardのブログ

小説、雑誌、新書、専門書、TV、ニュース記事などからの気になったことをメモしたり、そこから掘り下げて黙想したいことを書き綴ります。どんな形でもいいから、表現化したいな~。

いつか扱いたい考え事、など

いつか扱いたい考え事に、どんなものがあるだろうか。


自分の場合、興味は淡々と移り変わるが、また戻ってくるという感じ。最近は、手放した本や好きだったモノを買いなおすなんてことも多くなっている。


「シャーロック・ホームズ大全」(鮎川信夫訳)は一度手放したものだったが、絶版しておいたのもかかわらず、アマゾンの中古を安価で買いなおすことができた。鮎川氏は、ホームズものの最後の長編と短編集を手がけられずに残念だなんて言われるが、私から言わせれば、情熱を失いつつあった晩年のドイルの作品に興味はない。TVドラマの「シャーロック」を観て興味をもった人には、ぜひ原作にもトライしてもらいたい。やはり優れたミステリは、読ませる物語と登場人物の魅力にあるのであって、トリックの奇異性や意外さといった本格ミステリの要素自体にある必要はないのだ。読者にとってフェアな解き明かしでなくとも、面白ければよいではないか。私がとくに好きなホームズ物は、技師の親指事件と赤毛連盟だ。


だからミステリ小説の系譜なんてものには興味がわかない。ホームズで始まり、ホームズで完結したという感じがする。現代版ホームズ(最近のホームズ物映画や先述の「シャーロック」)が新鮮なものとして感じ取れるのは、単なるパロディではなく、原作へのリスペクトがあるからだと思う。