TRPG、テーブルトークRPG。アナログゲーム初心者の私には未知なる世界だ。もっともボードゲームとの出会いは幼い頃、『代表取締役社長ゲーム』や『クレイジークライマー』をいとこたちと遊んだ記憶があり、本場米国では『モノポリー』を独り勝ちされるまで"本格的に"遊んだこともある。だからユーロ系ゲームとの出会いが最近だ、ということ。しかし、TRPGに関しては、ゲームブックに触れたことはあっても、ダンジョンズ&ドラゴンズや、トンネルズ&トロールズにお目にかかる機会がまるでなかったのは不思議なくらい。今年の7月に京セラドームで催されたTRPGのファンフェスタにて、初めてプレイヤーとして参加することができた。いい歳したおっちゃんがお若いTRPGの経験者に一から教わりながら、本当に愉しむことができたのだ。ありがたいことである。遊ぶことに関して貪欲な小生は、乾いたスポンジがうるおされるがごとくに、TRPG関連の書籍を過去に出版されたものから最新刊に至るまで手あたり次第に入手し、熟読するなど、いまだにTRPG熱から冷めていない。

ソードワールド2.0は、初心者には入りやすいTRPGなのだと思う。リプレイ本も多く、プレイヤーキャラクター(PC)の作成も容易なので、ルールブックⅠ改訂版に付属しているシナリオで始めやすいからだ。もっともSW2.0の上級者には、PCをレベル10、レベル15とさらに成長させる愉しみや、サプリメントブックやシナリオ集で飽きることなくラクシアの世界で冒険がつづけられるのだ。始めるのに簡単だとは言ったが、『GM(ゲーム・マスタリー)マガジン』第一号に掲載された杉本=ヨハネ氏のソロアドベンチャーで、ちゃんとした戦闘方法や、ゲームの正しい進め方を教わることができてよかった。やはりゲームブックのような形式で、初心者向けのルール解説を教わりながら愉しめるこのソロアドベンチャーは秀逸である。杉本=ヨハネ氏、ありがとう！いまでは自分だけでは飽き足らず、息子にもソロアドベンチャーをさせている。私がなんちゃってGMとなり、息子がベッドで横になりながら、選択肢の中から次はどこへ行こうかと悩む、そんな秋の夜長を過ごしている。

連休には、『TtT(トンネル・ザ・トロール)マガジン』第四号に掲載のソロアドベンチャー『デラックス・バッファローキャッスル』(清松みゆき氏)を息子と一緒に初挑戦した。詳細はネタバレになるので避けるが、なにかにょろにょろした足が何本も襲い掛かってくるT&Tのモンスターと対峙した。私のキャラは『アドベンチャー・コンペンディウム』で多少鍛えており、魔法の鎧(防御点20)や魔法武器(6D6＋8)を所有していたので、余裕かなと思っていたのだが、じつにたいへんな闘いであった。今回の息子は、重症なくらいのダイス運のなさで、モンスターレイト54のさまようモンスターとも闘わねばならず、しかも逃げることも許されない中で"死"を予感したし、自分のキャラを失う悲しみがどういうものかをも実感した。だが、ここにきて、いつものダイス運を取り戻した息子によって勝利し、次の宿敵との対決も私のなんちゃってGMの采配で、その触手七本を切り落とすことができたのだった。とはいえ、けっしてT&Tルールを無視して、敵のレイトを下げたり、攻撃を増加させるようなインチキをしたわけではない。場合によっては三本同時に迫りくる敵の触手を一本ずつ、小分けにして格闘しただけなのだ。もしかしたら、敵の攻撃力はそれら触手の合算だったのかもしれないが、そこは拡大解釈ということで・・・お許しいただこう。でも、よく考えたら、武器による攻撃の後に、個人／戦闘修正(現状は20)を足せばよかったのかな。ん？まだT&T分かってないのかも。ルールブックを読み返さねば・・・。

追記。息子はT&Tでの勝利の後、気持ちよく床についたのだが、悪夢でも見たのか、夜中になってから私のベッドに入ってきた。小四の彼にとってもあの闘いは相当な体験だったようだ。

５）
　君の所持金は３００ドルだ。どんな銃を手に入れようか。武器店には、弓、リボルバー、ライフル、マスケット銃、ショットガンなどが陳列されている。欧州から持ち込まれた中古の品ばかりだが、どれも高値だ。君は、扱いやすそうなリボルバーを手にしてみた。なめらかな手触りで重すぎず、軽すぎない。これに決めた。店主に１５０ドル支払って、リボルバーと必要な弾丸を手に入れた。所持金から、１５０ドル消費するように。２へ戻れ。

６）
　君は町の繁華街をうろつくことにした。大通りの両側に、売店や酒場などが立ち並ぶ。ウェスタンな雰囲気だ。せっかくなので、酒場へ行ってみるなら、７へ。キャンプ用品など、雑貨を求めるのなら、８へ。中古の衣服を売っている店へ行くなら、９へ。（ここに戻ってきたのが、三回目なら、１０へ行け。）

７）
　酒場では、まっ昼間から杯をあけている男たちでにぎわっていた。君は、バーテンダーのいるカウンターの左端に座ることにした。さて、どうしようか。喉が渇いている。酒を注文して、酔いつぶれるまで呑むことにするなら、１１へ。なにやら、うわさ話をしている連中に聞き耳をたてるなら、１２へ。トランプカードで遊戯している連中の輪の中に入るなら、１３へ。
８）
　君は雑貨屋に来た。さて、なにを買おうか。棚には、ランタンとマッチ（３０ドル）、革ベルトとホルスター（１５ドル）、１０メートル長のロープ（１０ドル）、軍の盾（１５ドル）、ソーセージ、コンビーフ、コーン、ひよこ豆、オイルサーディンの缶詰（各５ドル）、日記帳（４ドル）と万年筆（６ドル）、インク＆ペン（１ドル）などが並んでいる。君は所持金を気にしながら購入し、装備を整えていく。６に戻れ。
９）
　ウェスタンな服装に着替えねば格好がつかない。カウボーイ・ブーツ（１５ドル）、カウボーイ調のジーンズ上着とパンツ（３０ドル）、キャンバス・コート（２０ドル）、革製コート（４５ドル）などだ。ちなみに、防御点となるのは、コートや盾である。ＧＭに確認しよう。６に戻れ。

１０）
　２に戻れ。
１１）
　君は、禁酒していることを忘れていた。ただ懐にある所持金のせいで気が大きくなって呑んでしまうのだった。アル中のけがある君は、任務を忘れてしまったようだ。身ぐるみを剥がされ、酒場の出口に投げ出された。ふらふらに酔った君は、気持ちよくその場でまどろむのだった。君の任務はこれで終了だ。

１２）
　聞き耳判定をする。３Ｄ６を振ってみよ。君の知性を上回っていなければ、成功だ。酒の席のうわさ話がなにかの参考となればよいが―。１０へ。　上回ってしまったら、失敗だ。酒場の騒音で情報を聞き出すことはできない。７に戻れ。
１３）
　向こうのテーブルでは、どうやら男たちがポーカーをしているようだ。三回戦勝負して買ったら、９０ドルもらう。負けたなら、３０ドル支払う。所持金を変更しよう。７に戻れ。

秋の夜長には、TRPGがいいみたい。

先週のある晩に、二段ベッドの上で息子と『ソードワールド2.0』をして遊んでいた。息子がルーンフォークのガンマンになりたがっていたので、ルールブックと格闘させられた。魔動術やら、シューターの技能にマナの装てんなど、ちとややこしいのだ。そんなこんで、息子は新しいプレイヤーキャラクターを成長させる愉しみができたのでよかった。時間を食ってしまったけど。

そんな経緯があったので、今度、ウエスタンなTRPG もしてみたいなと思って探してみた。これならできそうかなぁ。http://www.victorianadventureenthusiast.com/index/free-rpg-legends-of-the-untamed-west/ …『未開拓な西部での伝説』とでも題付けできるだろうか。久しく西部時代劇ものを観ていないが、自分の子ども時代にはガンとホルスターを腰に巻いてカッコつけていたものだ。祖母は革細工が得意だったから、ベルトとホルスターが本物っぽく決めることができたのだ。『荒野の七人』や、その他の西部もの映画を観た記憶もある。日本では、ゾンビものが流行るのに時間がかかったりしているから、また西部劇も再流行するかもしれない。

この英語の資料は、本場アメリカで遊ばれているTRPGらしい。無料なのか嬉しいがルールのみで、シナリオが付いていないのは残念。同名のボードゲームをBGGで見つけたので、その説明文だけが手がかりなのだ。ルルブと説明文、その他の資料で、あとは想像力で補いたい。杉本=ヨハネ氏のソロアドベンチャーのように、ソロプレイも可能なゲームブックっぽいものにしようかな。

体力：８　　＋　　　　　　　　　　　　　＝合計
器用さ：８　＋　　　　　　　　　　　　　＝合計
知性：８　　＋　　　　　　　　　　　　　＝合計

さらに、ＧＭが提供してくれる技術を選んで、８点分を３つの基礎能力に振り分けることができる。総合計が３２点になるように。君の性格や背景（たとえば、冒険心が強いとか、血気盛んで争い好きとか。家族とともに、北欧から流れてきたとか。）も書いておこう。判断の基準となることもある。

1）
1856年、アメリカの開拓時代。未開拓な西部の物語だ。カルフォルニア州で金鉱が発見された1848年のゴールドラッシュ以来、多くの人々が一獲千金の夢を抱いてこの大陸に集まってきている。君も数人の仲間と一緒にカンザス準州までたどり着いた者の一人だ。
カンザスの奥深く、ロッキー山脈のふもとが舞台だ。まだこのあたりの治安は悪く、先々週も窃盗団が地元の男たちを殺し、領地内の牛や羊、女子どもらを盗んでいった。その悪党たちの行方を追って六人の騎兵が向かったのだが、その後なんの音さたもない。君は、武力権を持つ自治本部から呼び出された。盗賊たちを追った騎兵たちの行方を調べること、また、盗賊のアジトを捜して報告することが君の任務だ。多額の報酬が約束された。君が、さらに西に旅立つための資金となるだろう。君は引き受けることにした。
２）
　さて、どこに行くべきか。盗難にあった家族に会ってみるなら、３へ。この町の事件や事故の情報を扱う新聞社を訪ねるなら、４へ。武器店で買い物するなら、５へ。町の繁華街をうろつくなら、６へ。
３）
  君は、スミス家の幕屋に着いた。スミス夫人から盗賊たちのことを聞き出すことにした。やつらは、何人の集団で来たのか。ご主人はどうなったのか。盗まれたものは。なぜ夫人と子どもたちは連れ去られずに済んだのか。　聞き出したことは、メモしておこう。
今日は10月15日。11月の末までに任務を終えなくてはならない。すでにロッキーマウンテンの山脈には雪が積もっている。この冬も厳しいものになりそうだ―。２へ戻れ。

４）
　君は、フォート・ウィークリー新聞社の扉を開いた。数名の記者たちがせわしなく事務所内を立ち回っていた。奥の個別の部屋のデスクには、編集長のミラーがパイプを吹かせていた。最新記事を読ませてもらうなり、盗難や殺人のことについて聞いてメモしよう。２へ戻れ。
５）
　君の所持金は３００ドルだ。どんな銃を手に入れようか。